休職および一時帰休時の定時決定について整理しました。

@4、5、6月のいずれかの月において低額の休職給を受けた場合の定時決定


A一時帰休により低額な休業手当等が支払われることとなった場合の定時決定



簡潔にまとめるなら以下の表のとおりとなります。

【休職・一時帰休における定時決定】

事例 定時決定方法等 根拠
4、5、6月のいずれかの月において低額の休職給を受けた場合

9月以降において受けるべき報酬月額
⇒休職給を受けた月以外の月を対象月として算定。

昭和36年1月26日
保発第4号

4、5、6月のすべての月において低額の休職給を受けた場合

保険者算定により従前の標準報酬月額

昭和36年1月26日
保発第4号

一時帰休に伴い低額な休業手当等が支払われた場合

その休業手当等をもって報酬月額を算定

昭和50年3月29日
保険発第25号・庁保険発第8号

定時決定の際に、既に一時帰休の状況が解消している場合

当年の10月以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定
⇒4,5,6月のうち休業手当を受けない月を対象月として算定
4、5、6月すべての月において低額な休業手当を受けた場合は休業手当を受ける前の標準報酬月額

昭和50年3月29日
保険発第25号・庁保険発第8号
疑義照会No.2011-51

労働協約等に基づき固定的賃金について賃金カットが行われた場合

一時帰休の取り扱いに準じる

昭和50年3月29日
保険発第25号・庁保険発第8号

4、5、6月のいずれかの月においてストライキによる賃金カットがあった場合

9月以降において受けるべき報酬月額⇒賃金カットを受けた月以外の月を対象月として算定。

昭和36年1月26日 保発第4号

4、5、6月のいずれかの月の給与が7月以降に支払われる場合

7月以降に支払われる月以外の月を対象月として算定。

定時決定のパンフレットに書かれているが根拠不明。






4、5、6月に低額の休職給があった場合は、
保険者算定により3月間すべて休職給の場合は従前の標準報酬月額により、
1月ないし2月の場合は9月以降において受けるべき報酬月額
(休職給を受けた月以外の月を対象月として算定した額)により算定されます。

詳細は「保険者算定されるとき」参照。








一時帰休
(使用者側の理由により一定期間就業が困難な場合に企業在籍のまま一時帰休業させること)
させた場合の取扱いは以下の通知のとおりです。


●一時帰休等の措置がとられた場合における健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格及び標準報酬の取扱いについて
(昭和50年3月29日 保険発第25号・庁保険発第8号)


2.標準報酬の取扱い
(1) 一時帰休の場合

一時帰休に伴い、
就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合
の標準報酬の決定及び改定は、次により取扱うこと。

ア定時決定

標準報酬の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合においては、
その休業手当等をもつて報酬月額を算定し、
標準報酬を決定すること。

ただし、
標準報酬の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、
当該定時決定を行う年の10月以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、
標準報酬を決定すること。


 (2) 賃金カットの揚合

労働協約等に基づき固定的賃金についていわゆる賃金カットが行われた場合は、
2の(1)に準じて取扱うこと。


低額な休業手当等に該当するかどうかの判断は、
就労していたならば受けられるべき報酬よりも低額となるか否か
で判断することとなります。

この就労していたならば受けられるべき報酬とは、
あくまで、所定労働時間就労していたならば受けられるべき報酬を指し、
基本給、役職手当および通勤手当等をいいます。
一方で残業手当については時間外労働を行った場合に初めて受けられる報酬であり、
就労していたならば受けられるべき報酬ということはできないとされています
疑義照会No.2011-341)。

ただし、
疑義照会No.2010-91では、
残業手当、皆勤手当、能率手当等「非固定的賃金」が一時帰休の結果、
勤務日数が減少し、結果として減ってしまった場合も
低額な休業手当に該当するとされており、
矛盾していると思われます。


標準報酬の決定の際(7月1日現在(厚年指2010-410))、
既に一時帰休の状況が解消している場合は、
4、5、6月のうち休業手当を受けない月を対象月として算定します。

また、
4、5、6月すべての月において低額な休業手当を受けた場合は
休業手当を受ける前の標準報酬月額により算定します。
たとえ、1年以上遡る場合でも同様の取扱いとなります。

ただし、
すでに一時帰休が解消されたことに伴う随時改定が行われている場合には、
当該随時改定決定額により算定します(厚年指2010-410)。

なお、
「休業手当を受ける前の標準報酬月額」は
一時帰休とは関係のない固定的賃金の変動による随時改定額でもよく、
起算月の翌月または翌々月に一時帰休に伴う休業手当が支払われいても問題ありません
疑義照会No.2011-51)。

疑義照会No.2010-223は、
一時帰休が解消していないにもかかわらず、
誤って一時帰休が解消された場合の取扱いをしようとした事例です。


●一時帰休中における満額補償される給与の判断について
(平成23年9月20日 疑義照会(回答)No.2011-341)


【疑義内容】

疑義照会No.2010-178において、
事業主の責により被保険者を休業させているにも係らず
満額の給与が補償されている場合は、
「厚生年金保険法上の一時帰休には該当しない」と示されているが、
満額の給与とは具体的に何を示すのか。

つまり、
基本給が100%支払われている状況下において、
以下のいずれの手当てが支払われていない場合が
昭和50年通知にいう「低額な休業手当等」が支払われている場合に該当するのか、
ご教示いただきたい。

@役職手当支給無し
A通勤手当支給無し
B残業手当支給無し


【日本年金機構本部回答】

一時帰休の措置がとられた場合における標準報酬の取扱いについては、
昭和50年3月29日付け保険発第25号・庁保険発第8号通知(以下「50年通知」という。)により、
一時帰休という特別措置的な給与払いに対応する取扱いが示されており、
その場合における標準報酬の決定及び改定については、
低額な休業手当等が支払われることとなった場合に限定されている。

今回のご照会の内容は、
この低額な休業手当等に該当するかどうかということであり、
この判断については50年通知にも示されているとおり、
就労していたならば受けられるべき報酬よりも低額となるか否かで判断することとなる。

なお、
この就労していたならば受けられるべき報酬とは、
あくまで、所定労働時間就労していたならば受けられるべき報酬を指すこととなる。

よって、
@役職手当及びA通勤手当については、
就労していたならば受けられるべき報酬と解すことができるため、
一時帰休により支給がない場合は、
低額な休業手当等に該当するが、

B残業手当については時間外労働を行った場合に初めて受けられる報酬であり、
就労していたならば受けられるべき報酬ということはできないため、
低額な休業手当等に該当しないこととなる。


●一時帰休にかかる定時決定時の従前報酬の考え方について
(平成23年2月18日 疑義照会(回答)No.2011-51)


「一時帰休による標準報酬の決定又は改定が行われる前の報酬」とは、
これにより決定又は改定された報酬を除く直近の報酬となるが、
「(一時帰休とは関係のない)固定的賃金の変動があった月を起算月として
翌月又は翌々月に一時帰休に伴う休業手当が支払われた場合は・・通常の随時改定」
(平成22年12月15日厚年指2010-410)となるため
「一時帰休による標準報酬の決定又は改定が行われる」報酬とはならない。

したがって9月1日の時点で一時帰休の状況が解消していて
4、5、6月全て一時帰休による休業手当が支払われた場合の定時決定に際して、
その直前に、一時帰休とは関係のない固定的賃金の変動があった月を起算月として
随時改定が行われているならば、
起算月の翌月又は翌々月に一時帰休に伴う休業手当が支払われたとしても、
この随時改定による標準報酬で定時決定を行うことになる。

そしてこれは当然「一時帰休による標準報酬の決定又は改定が行われ」た報酬とはならない。


●一時帰休について
(平成22年4月6日 疑義照会(回答)No.2010-223)


【疑義内容】
4月・5月・6月すべて一時帰休が支払われた場合の定時決定は
従前で決定と取り扱われるが、
その従前の報酬が著しく9月1日以降に支払われる額と差異がある場合には
保険者決定を適用してよろしいか伺います。

また、
一時帰休の取り扱いでやむなく保険者決定となるような
例題があればお示し願います。


【日本年金機構本部回答】

昭和50年3月29日付け保険発25号・庁保険発第8号通知により、
標準報酬の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合においては、
その休業手当等をもって報酬月額を算定し、
標準報酬を決定することとされている。

したがって、
ご照会の事例については、
定時決定の対象月である4月.5月・6月の報酬月額を平均し、
標準報酬月額を決定することになる。


定時決定の際に、既に一時帰休の状況が解消している場合は、
当年の10月以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定します。

この「解消」とは、
「特定の従業員と事業主の間で一時帰休を解消する旨の合意が既になされているなど、
7月1日以降休業される見込みがないことが保険者側で判断できる場合は、
解消しているものとして取扱う。」、

「7月1日の時点で、現に低額な休業手当等の支払が行われておらず、
その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがない場合をいう。」
とされています(疑義照会No.2011-272)。

10月以後において受けるべき報酬とは、
一時帰休による標準報酬の決定又は改定が行われる前の標準報酬月額であり、
定時決定または随時改定のどちらによるものでもよく、
実際に支払われる報酬額と著しく異なる場合でもこの取り扱いは変わらないとされています
(疑義照会No.2010-199No.2010-502No.2010-598No.2010-894No.2010-900)。

なお、
一時帰休中から休職状態にあった場合で、
一時帰休解消後も休職が継続するときも同様に、
一時帰休による標準報酬の決定または改定が行われる前の標準報酬月額を
用いることとなります(疑義照会No.2010-917)。

また、
休業手当等をもって標準報酬を決定した後に自宅待機の状況が解消したときは、
随時改定の対象とすることとされていますが、
入社した当初から一時帰休とされた場合については、
一時帰休とされなければ、通常の方法により算定することとなる
被保険者資格取得時の報酬月額を10月以後において受けるべき報酬月額として採用し、
定時決定を行います(疑義照会No.2011-300)。


●一時帰休について
(平成23年6月13日 疑義照会(回答)No.2011-272)


(ブロック本部対応案)
当年4月から当年6月までに
一時帰休による休業手当等を含む報酬が支払われた場合の
定時決定における報酬月額の決定方法については、
昭和50年3月29日通知により、
解消したか否かで判断するものとされています。

平成22年12月15日付指示文書において、
「解消」とは、
「特定の従業員と事業主の間で一時帰休を解消する旨の合意が既になされているなど、
7月1日以降休業される見込みがないことが保険者側で判断できる場合は、
解消しているものとして取扱う。」
と示されています。

一方、
事務連絡において、
「7月1日の時点で、現に低額な休業手当等の支払が行われておらず、
その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがない場合をいう。」
と示されています。

したがって、
7月1日時点で当年4月から当年6月に支払われた報酬をもって
標準報酬月額を決定することを鑑みると、
一時帰休の解消の判断についても7月1日時点における
7月1日以降の給与支払の有無により判断するものであると思料します。

よって、
上記具体的事例については、
平成23年7月1日の時点で実質的には一時帰休の状況が解消しているが、
一時帰休による低額な休業手当等が含まれた給与の支払が
平成23年7月1日以降に予定されているため、
一時帰休は解消していないものと考えます。


(本部回答)

ブロック本部の見解のとおり。

定時決定時における一時帰休解消の判断については、
7月に実際に支払われる給与(どの月の分の給与か問わず)に休業手当等が含まれておらず、
8月以降も通常の給与支払いが見込まれる場合に「解消」となる。


●一時帰休と保険者算定について
(平成22年5月11日 疑義照会(回答)No.2010-502)


【疑義内容】

「4月、5月、6月すべて一時帰休による休業手当が支払われた場合の定時決定は、
9月1日の時点で一時帰休の状況が解消している場合、従前で決定」となっているが、
この従前とは前年の定時決定と解釈してよいか。

また、
前年の定時決定の後、
随時改定があった場合にはその随時改定を従前としてよいか。

さらにその場合、
当年、9月以降に実際支払われる報酬と著しく不当な場合(例えば、5等級以上違うなど)、
厚生年金法第24条の報酬月額の算定の特例として扱って差し支えないか?


【日本年金機構本部回答】

「従前」の考え方は貴見のとおり。

また、
ご質問のケースは昭和36年1月26日保険発第7号通知の一(2) に該当することから、
従来の報酬月額とする取り扱いとなる。


●一時帰休について
(平成22年9月13日 疑義照会(回答)No.2010-598)


【疑義内容】
疑義照会2010-502において、
前年の定時決定の後、随時改定があった場合にはその随時改定を従前としてよいか」
という照会に対し、
「従前」の考え方は貴見のとおり」と回答されておりますが、
当Gが頂いている疑義照会2010-155の回答及び疑義照会2010-199の回答では、
定時決定の対象月の全てが一時帰休の状態であったが、
当該決定を行う際(9月1日)にその一時帰休が解消されている場合の標準報酬月額については、
一時帰休による随時改定前の標準報酬月額を用いることとなっております。

従いまして、
疑義照会2010-502照会における「随時改定」とは
一時帰休による随時改定を除いたものを意味しているという判断でよろしいでしょうか。

また、
「ご質問のケースは昭和36年1月26日保険発第7号通知の一(2)に該当する」
との説明がありますが、
当事例は一時帰休における取扱いケースのため、
昭和50年3月29日保険発25号・庁保険発第8号通知の二の(1)に該当することから、
回答の訂正が必要であると考えます。


【日本年金機構本部回答】

貴見のとおり。

一時帰休等の措置がとられた場合における標準報酬の取扱いについては、
昭和50年3月29日保険発25号・庁保険発第8号通知によりその取扱いが示されており、
当通知の2. (1) アにおいて規定されている
当該定時決定を行う年の9月以後において受けるべき報酬とは、
一時帰休による随時改定前の標準報酬月額を指しているものである。

なお、
上記の考え方については、
一時帰休による随時改定が1年以上遡るような場合であっても、同様であり、
一時帰休による標準報酬の決定又は改定が行われる前の報酬により、
定時決定を行うこととなる。


●一時帰休について
(平成22年10月27日 疑義照会(回答)No.2010-917)


【疑義内容】

被保険者が病気休暇中により、
平成22年4月、5月、6月の支払基礎日数が、いずれも0日であって、
従来の等級(平成21年度の定時決定による標準報酬月額)が
一時帰休による休業手当を含む報酬月額により決定されたものである場合、
保険者算定は、
以下のいずれの報酬月額により算定するものでしょうか。

なお、
当該被保険者は平成22年9月以降についても病気休暇となっています。

また、
事業所としては平成22年3月以前に一時帰休が解消しています。

@ 保険者算定は、従来の報酬月額により決定するため、
  従来の休業手当を含む報酬月額(190,000円)にて算定する。

A 一時帰休が解消しているため、
  従来の休業手当を含む報酬月額より前の休業手当を含まない報酬月額(220,000円)まで遡って算定する。


【日本年金機構本部回答】

ご照会の事例のように病気休暇により無給状態であっても、
定時決定を行う際(9月1日)に一時帰休が解消されている場合であれば、
当該決定の際の標準報酬月額は、
一時帰休による随時改定前の標準報酬月額を用いることとなる。

したがって、
本件はA が正しい取扱いである。


●入社した当初から一時帰休(週に数日程度の休業)とされた者に係る標準報酬月額の決定について
(平成23年7月29日 疑義照会(回答)No.2011-300)


【疑義内容】

一時帰休状態の事業所において、
入社した当初から一時帰休とされた者の資格取得時の標準報酬月額の決定は、
昭和50年3月29日保険発第25号2の(3)に準じ、
現に支払われる休業手当を含んだ報酬に基づき決定すべきと考える。

上記により、
4月に資格取得し休業手当を含んだ報酬により
資格取得時の標準報酬月額を決定した者の定時決定を行う際、
4、5、6月の算定対象月の全てに休業手当を含み、
7月1日時点に一時帰休の状況が解消している場合については、
9月以後において受けるべき報酬月額を算定することとなるが、
資格取得月から通常の給与を受けた月が存在しないことから、
報酬月額の算定はどのように行い標準報酬月額を決定すればよろしいですか。


【日本年金機構本部回答】

入社した当初から一時帰休とされた場合については、
自宅待機の場合と労働基準法第26条に規定する「使用者の責に帰すべき事由による休業」
の設定が異なるだけで、
当該休業の措置がとられている状況に変わりはないことから、
被保険者資格取得時における標準報酬月額の決定についても
自宅待機の場合に準じて取扱うべきであり、
現に支払われる休業手当を含んだ報酬に基づき報酬月額を算定し、
標準報酬月額を決定することとなります。

また、
標準報酬月額の決定の際(7月1日現在)、
既に一時帰休の状況が解消している場合における定時決定の取扱いは、
当該定時決定を行う年の9月以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、
標準報酬月額を決定することとなっています。

この9月以後において受けるべき報酬月額とは、
一般的に、
通常の給与を受けた月における報酬の実績を用いて算定することとされていますが、

資格取得時から一時帰休とされた場合には、
通常の給与を受けた月が存在していないことから、
定時決定時現在における可能な範囲の推定額を算定することとなります。

したがって、
本事例については、可能な範囲の推定額として、
一時帰休とされなければ、通常の方法により算定することとなる
被保険者資格取得時の報酬月額を9月以後において受けるべき報酬月額として採用し、
定時決定における標準報酬月額を決定することが妥当だと判断します。






「随時改定時の報酬月額」へ



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