使用される者とは、
一般的には労働者を指すものと考えられます。

労働者については、
労働基準法9条において定義されており、

「労働者とは職業の種類を問わず、
事業または事務所に使用される者で、
賃金を支払われる者をいう。」


とされています。



被保険者資格について、
以下の通知等があります。


●健康保険被保険者資格取得に関する疑義解釈について
(昭和26年12月3日保文発第5255号)

健康保険及び厚生年金保険において、
被保険者となる者は、
法定の事業所に使用される者であるが、
実際には労務を提供せず、
したがって、
労務の対償として報酬の支払を受けない場合には、
実質上の使用関係がないものであるから、
使用される者でなく被保険者とならない。


●健康保険法の解釈と運用
(P129)

事実上の使用関係があれば足り、
事業主との間の法律上の雇用関係の存否は、
使用関係を認定する参考となるに過ぎない。

したがって、
単に名目的な雇用契約があっても、
事実上の使用関係がない場合は使用される者とはならない。




以上のように、
被保険者資格は名目的な関係はどうであれ、
実態としての使用関係の有無により判断されることになります。



名目上の使用関係があるものの、
事実上の使用関係がなく被保険者としない例としては、
以下の通知があります。


●労働組合専従職員に対する健康保険法等の適用に関する件
(昭和24年7月7日職発第921号)


被保険者が、
その雇用又は使用されている事業所の労働組合の専従役職員となつた場合は、
労働組合法第二条及び第七条の規定によつて、
その者に対するすべての報酬の支給は、
明確に禁止されることとなつたので、

健康保険、厚生年金保険及び失業保険の保険料及び保険給付は、
その者を雇用する労働組合より支給せられる報酬の額に基いて算定されなければならないのであつて、
これらの法規の適用については、
その者は従前の事業主に雇用又は使用されるものとして取り扱われないのである。

従つて、
労働組合専従者は、
従前の事業主との関係においては、被保険者の資格を喪失し、
労働組合に雇用又は使用される者としてのみ被保険者となることができるのである。




逆に、
名目上の使用関係がないものの、事実上の使用関係があり、
被保険者として扱う例としては、
以下の通知があります。


●被保険者の資格について
(昭和26年11月2日保文発第4602号)


当該事業所と技能養成工との関係が
技能の養成のみを目的とするものではなく、

稼働日数、労務報酬等からみて、
実体的に使用関係が認められる場合は、
被保険者資格を取得させるよう取り扱われたい。


●健康保険法の解釈と運用
(P130)


陶器製造業者が使用する職工で技術見習いのため報酬を受けず、
弁当持参で通勤し技術見習いのかたわら事業一般の手伝いをなす者がある。

技術見習い後は適当の給料を支給するが、
普通6ヶ月、遅いものは2年くらい見習いとなり、当該期間は報酬は受けない。

しかし健康保険の適用事業所に使用される限り被保険者である。
(昭和3年1月30日庶発92号)


●被保険者の範囲について
(昭和10年3月18日保発第182号)


請負業者がその事業を自己の統制管理
および計算の下に遂行し企業上独立している場合は、
この請負業者を事業主として取扱うべきものであるが、

請負制度が労務供給上の一方法
または賃金支払上の一形態と認められる場合においては
この請負業者を事業主として取扱うべきでない
(労働者であり被保険者として扱うべき)。


●中等学校最高学年在学者にして職業実習につき臨時措置を受ける者の被保険者資格に関する件
(昭和16年12月22日社発第1580号)


在学のまま職業実習をする者が卒業後の就職予定先である
適用事業所において職業実習をする場合は、
被保険者として扱う。




経済のグローバル化に伴い、
国境を越えて活動する企業は、
中小企業でも珍しくなくなってきています。

外国法人に雇用された場合は、
被保険者となるのでしょうか?

以下の疑義照会(回答)があります。


●任意適用の事業所の代表者の資格取得について
(平成22年5月24日 疑義照会(回答)No.2010-611)


外国法人からの指揮命令を受け、
その労働の対償である給与についても当該法人から支給されるものとなっており、
当該法人との間にのみ使用関係が存在していると考えるのが妥当であることから、

当該事業所については、
厚生年金保険法上の適用事業所とはならない。

したがって、
厚生年金保険法の適用を受ける被保険者とはならない。




とされており、
外国法人の事業所は適用事業所ではないため、
その従業員は被保険者になることはできません。

ただし、
以下の事例のように国内法人と外国法人の両方から報酬が支給され、
国内法人と常用的使用関係にある場合は、
国内法人からの報酬額のみをもって、被保険者資格を継続します。


●海外勤務者の被保険者資格について
(平成22年1月26日 疑義照会(回答)No.2010-40)


●取得及び報酬について
(平成22年8月17日 疑義照会(回答)No.2010-468)


海外の事業所に勤務することとなった方が、
引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有するかどうかについては、
当該被保険者と国内の適用事業所との間の使用関係が存続しているか否かによって判断することとなる。

具体的には、
国内の適用事業所から、指揮命令を受け、
その監督の下に労働し、職務内容の拘束を受け、
また、
労務の対償として報酬を受けていることなど労務管理全般にわたる実態に基づき判断することとなる。

上記より、
国内の適用事業所からの報酬が無い場合については、
使用関係が存続しているものと確認することはできず、
被保険者資格を喪失することとなる。

また、
国内の適用事業所からの報酬がある場合については、
当該事業所から支給される報酬のみをもって随時改定を行い、
被保険者資格を存続させることとなる。




また、
国外に居住している外国人を雇用する場合は、


●出向社員の資格について
(平成22年11月5日 疑義照会(回答)No.2010-654)


【疑義内容】

国外に居住している外国人を雇用し、
現地の事業場(社会保障協定を締結している国)に出向させているが、
報酬は出向元である国内法人が全額支払っている場合、
被保険者となるか?


【日本年金機構本部回答】

あくまで社会保険の適用事業所に採用されて雇用契約を結び、
また報酬も適用事業所が直接本人に支払っているならば、
指揮命令、労務管理の状況等を総合的に判断することになるが、
原則としては健康保険・厚生年金保険の被保険者となる。

社会保障協定の内容は締結国ごとに違うが、
その者が就業している国が社会保障協定締結国であれば、
協定内容に基づいた取扱いをすることとなる。




とされており、
適用事業所に使用される者であれば、
住所が国外であっても被保険者資格を継続することになります。



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