令和2年4月から、
「同一労働同一賃金」のルールが強化されます。

※中小企業は翌年の令和3年4月からスタート。



「同一労働同一賃金」の目的を一言でいうと、
正規(≒正社員)と非正規(≒正社員以外)との間の不合理な待遇差の解消
となりますでしょうか。

この「同一労働同一賃金」を理解する上で
知っておかねばならない重要キーワードが2つ
あります。

その2つのキーワードとは、
「均等(きんとう)待遇」と
「均衡(きんこう)待遇」です。



「均等」と「均衡」という単語は
字面はカッコいいですが、
いまいち具体的にイメージできる言葉ではないですよね?

私は、
「均等」と「均衡」の違いを説明する際に、
「平等(Equality)」と「公正(Equity)」と言い換えて
説明しています。

「平等」は「個々の状況を鑑みずに全員に対して同じ待遇をする。」
のに対し、
「公正」は「個々の状況に応じて待遇を変える。」
ことを意味します。

平等と公正をわかりやすく解説しているホームページがありました。

このホームページの資本主義(Capitalism)の解説図は、
とてもシュールなので、カラカマのお気に入りです。

 

 

通勤手当で具体的に考えてみましょう。

・全社員に交通に要する費用の実費を通勤手当として支給。
⇒実費支給なので公正と評価でき、
かつ全社員に支給しており平等と言える。

・全社員に実費の50%を通勤手当として支給。
⇒会社が実費の全額を負担する義務はないので、
これも公正かつ平等と言える。

・全社員に一律2千円の通勤手当を支給。
⇒いちおう平等と言えそうだが、公正であるとは考えにくい。
ただし、
全社員が徒歩・自転車通勤圏内に在住であれば公正かつ平等かもしれない。

・正社員には実費100%、正社員以外には50%の通勤手当を支給。
⇒正社員以外を50%とする合理的な理由がなく、公正でも平等でもない。

・正社員には一律2万円、正社員以外には一律5万円の通勤手当を支給。
⇒これもやっぱり、公正でも平等でもないでしょ。

 

 

ここで気が付いて欲しいのは、
平等かどうか?は、
誰が見ても判断が付きやすいのに対して、
公正かどうか?は、
個々の事情を考慮しなければならなく簡単に判断できない
ということ。

たとえば、
同じ駅から電車通勤するAさんとBさんの通勤手当が、
Aさんが1万円、Bさんが3万円だったら、
サルが見ても一発で不平等だとわかります。

一方、
別々の商品の営業担当であるCさんとDさんの営業手当が、
Cさんが1万円、Dさんが3万円だったとして、
この差が不公正であるかどうかを判断するには、
詳細な検証が必要となります。

以上を考慮すると、
「同一労働同一賃金」の最大のキモは、
誰が見ても不平等とわかるような手当だけは絶対無くすべし!
と言えるのではないでしょうか?



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