【最低賃金の現状と今後の予想】

・平成28年間以降(新型コロナの令和2年を除く)
の引き上げ実績は、引き上げ率は毎年3%以上、
引き上げ額は25〜28円。

・令和3年引き上げ後の全国加重平均は、930円
※「全国加重平均」とは、全国の最低賃金を都道府県
ごとの労働者数で重み付けして平均した額のこと。

・都市と地方の格差は、東京都の最高1,041円に対し、
高知県および沖縄県の最低820円となり、221円差。

 

令和3年の衆議院議員総選挙における各党の政権公約

および最低賃金の現状を考慮した結果、

 

・令和6年までの3年間は、引き上げ率が毎年3%程度、
引き上げ額が3年間合計で70円程度となる。

・令和7年以降、地方は引き続き引き上げ率3%程度だが、
都市部は、少なくとも過半数の都道府県が1,000円以上
になるまで、足踏み状態となり、引き上げ率が下がる。


とカラカマは予想しました。

 

たとえば、

千葉県(都市部)であれば令和3年が953円なので、

令和4年:975円(+22円)
令和5年:1,000円(+25円)
令和6年:1,025円(+25円)
令和7年:1,035円(+10円)

程度になるのではないでしょうか?

 

 

 

【予想@:全国加重平均1,000円になるまで】

最低賃金の引き上げは、とてもわかりやすい成果

であるため、今回の選挙でどの党が与党になろうとも、

なるべく早く「全国加重平均1,000円を実現しました!」

と国民にアピールしたいものと考えられます。

 

これを実現するためには、労働者数が多い都市部の

最低賃金を上げるのが最も手っ取り早い手段となります。

 

たとえば、東京都の労働力人口が8,300千人に対し、

鳥取県の労働力人口は300千人なので、その差約27倍。

 

したがって、東京都の最低賃金を1円上げることと、

鳥取県の最低賃金を27円上げることは、全国加重平均

を引き上げる効果としてはまったく同じなのです。

 

とすれば、政治家としては都市部の最低賃金引き上げ

に注力したいところですが、都市と地方の格差問題

があるので、都市部の引き上げ額が地方のそれを上回る

ことは、地方の労働者の不満を買うため、避けるでしょう。

 

その結果、政治的に最も無難な選択肢は、

「全国ほぼ同額で最低賃金を引き上げること。」

になります。

 

令和3年の引き上げ実績は、まさしくこの考え方に

よるものと考えられ、全国加重平均1,000円が実現

するまでの残り70円は、同傾向が継続すると予想します。

 

 

 

【予想A:全国加重平均1,000円実現以降】

全国加重平均1,000円実現後、次の政治目標を掲げる

と思われますが、実現が困難な順に以下が考えられます。

・全国一律1,500円
・全国加重平均1,500円
・全国どこでも1,000円以上

 

1991年の541円から2021年の930円になるまで、

400円の引き上げに30年掛かっていることを考慮すると、

時給1,500円の実現は、相当先の話となりそうです。

 

となれば、最も実現可能性の高い「全国どこでも

1,000円以上」が次の政治目標となるのでは

ないでしょうか?

 

その場合、時給1,000円未満の地方では、全国加重

平均1,000円実現後も年率3%程度の引き上げが継続

するものと考えられます。

 

都市部は、全国加重平均1,000円実現時点ですでに

時給1,000円を超えているため、政治目標と直接関係

ないことになります。

 

都市と地方の格差是正のためには、都市部の引き上げ

をしばらく凍結すべきですが、全く引き上げないと、

地方の事業者の不満を買うため、お茶を濁す程度には

都市部も引き上げを継続するのではないかと予想します。

 

以上を踏まえると、公明党の公約である

・2020年代前半に全国加重平均で1,000円
・2020年代半ばに47都道府県の過半数で1,000円以上

は結構エグイと思いました。

 

 

 

ちなみに、特定(産業別)最低賃金というものが

あり、一般的には、特定最低賃金>地域別最低賃金

となっています。

 

しかし、地域別最低賃金の上昇率が高いため、都市部

を中心に逆転現象が発生しています。

 

実際に、東京都と神奈川県では、全ての業種で

特定最低賃金<地域別最低賃金となっており、

千葉県でも、7業種中5業種で逆転しています。



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