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任意的・恩恵的に受けるものとして
以下の疑義照会回答があります。
●社内販売製品を購入した従業員に対する補助金について
(平成22年12月10日 疑義照会(回答)No.2010-1177)
【疑義内容:取引先商品の購入補助金】
・取引先の購入実績確保のため、当該取引先の製品(パソコン)を一括購入し、
自社にて購入を希望した従業員に販売。
・購入した従業員に対して購入額の10%を補助金として支給している。
・就業規則や給与規定には当該補助金の定めはない。
・賃金台帳には当該補助金が計上されている。
・会社としての当該補助金に係る支出は福利厚生費としている。
・税務署に確認したところ当該補助金は課税される。
当該補助金は、報酬または賞与に該当するか?
【日本年金機構本部回答】
・当該補助金は従業員が製品購入時にのみ支払われること。
・希望する従業員であれば誰もが補助金を受けることができること。
・就業規則や給与規定に定めがないこと。
などから恩恵的なものであると考えられる。
よって労務の対償とはならない。
●出向先から支給された賞与の取り扱いについて
(平成22年10月18日疑義照会(回答)No.2010-935)
【疑義内容:出向先から支給された賞与】
・法人A(適用事業所)から取引先である法人B(適用事業所)へ
技術者(使用人)を出向させている。
・出向社員の労務管理や人事権の帰属は法人Aで、
労務遂行の指揮命令権は法人Bが有する。
・出向時の契約により給料、賞与ともに法人Aが全額支給・負担。
法人Aの規程を適用し、法人Aが出向社員に直接支給する。
・出向社員は法人Aで、社会保険の被保険者である。
・このたび法人Aの経営不振により賞与が不支給だったことから、
法人Bの社長の厚意で法人Bの負担で出向社員に賞与を支払うことにした。
・法人Bが賞与を経費として計上。所得税は源泉徴収する。
・出向期間が3〜4年残っているため、今後もこうしたケースが発生するかもしれない。
当該賞与に係る賞与支払届は必要か?
【日本年金機構本部回答】
出向社員はAの被保険者であり、Bの被保険者ではないこと、
また賞与の内容についても社長の厚意により臨時的に支給されているものであると考えられることから
賞与ではなく、賞与支払届は不要である。
●報酬の範囲について
(平成23年4月28日 疑義照会No.2011-159)
【疑義内容:大入り袋】
・支払項目:大入袋
・支払金額:1万円
・給与支払にかかる社内規定なし
・賃金台帳記載あり
当該大入り袋は報酬・賞与に該当するか?
【日本年金機構本部回答】
大入り袋とは、本来「@発生が不定期であること、
A中身が高額でなく、縁起物なので極めて恩恵的要素が強いこと」という性質を有しており、
生計にあてられる実質的収入とは言い難く、
報酬及び賞与としないとしています。
恩恵的かどうかの判断は、社会通念上での判断となりますが、
当該大入り袋に関しては、賃金台帳に記載があること、金額が一万円であること、
これに加え、支給事由が業績達成や営業成績に連動しているものであれば、
本来の大入り袋のもつ性質とは異にし、恩恵的ではないと判断するのが妥当となります。
これらの疑義照会回答を考慮すると、
「任意的・恩恵的に受けるもの」かどうかを判断する要素としては
以下が考えられます。
・就業規則等に規定されていれば、「任意的・恩恵的」を否定する要素となる。
・金額が社会通念上不相応に高額な場合、「任意的・恩恵的」を否定する要素となる。
・対象者が限定されている場合、「任意的・恩恵的」を否定する要素となる。
・支給事由が業績達成や営業成績に連動している場合、「任意的・恩恵的」を否定する要素となる。
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