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最終更新日:令和7年11月24日
賞与とは、
●健康保険法第3条
賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、
労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、
三月を超える期間ごとに受けるものをいう。
と定義されています。
「3月を超える期間ごとに受けるもの」について、
以下の通知があります。
●標準報酬の範囲について
(昭和27年2月21日保文発1006号)
【3月を超える期間ごとに受けるもの】
「三月を超える期間毎に受けるもの」とは、
その算定の事由が三か月を超える期間毎に発生するものを意味し、
かつ、
通常は現実的に三か月を超える期間毎に支払われるものである。
しかしながら、
右の算定事由の発生を如何に認識するかは、
実際の支払方法と関連して必ずしも容易ではなく、
御例示のような事案についても一概の結論を出すことは困難であるが、
当該仮払が相当回数にわたってくりかえし行われる場合は、
名目は三か月を超える期間毎の賞与であっても、
実体は三か月以内の成績を基礎とする能率給と認めざるを得ないから、
法第二条にいう報酬に含めるのが妥当である。
●健康保険法、船員保険法及び厚生年金保険法における報酬の範囲について
(昭和36年1月26日保発第5号)
【3月を超える期間ごとに受けるもの】
三箇月を超える期間ごとに受ける報酬に該当するものは、
年間を通じ四回以上支給される報酬以外の報酬とすること。
従って、
名称は異なつても同一性質を有すると認められるものが、
年間を通じ四回以上支給される場合は、
各法の報酬に該当すること。
2 報酬が1により報酬に該当するか否かの判断は、
当該報酬が次のいずれかに該当するか否かにより行なうものとすること。
(1) 当該報酬の支給が給与規定、賃金協約等によって客観的に定められていること。
(2) 当該報酬の支給が一年間以上にわたって行われていること。
法文上では、
3月を超える期間ごとであれば賞与、3月を超えなければ報酬となりますが、
現行の運用では、以下の2件の通知のとおり
支給頻度により、
「通常の報酬」、「賞与」
および「賞与に係る報酬」の
3つに分けて考える必要があります。
●健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて
(昭和53年6月20日保発第47号、庁保発第21号)
1 報酬の範囲
(1) 毎年七月一日現在における賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもので
毎月支給されるもの(以下「通常の報酬」という。)以外のもの (以下「賞与」という。)の
支給実態がつぎのいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当すること。
ア 賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定(以下「諸規定」という。) によって
年間を通じ四回以上の支給につき客観的に定められているとき。
イ 賞与の支給が七月一日前の一年間を通じ四回以上行われているとき。
したがつて、
賞与の支給回数が、当該年の七月二日以降 新たに年間を通じて四回以上又は四回未満
に変更された場合においても、
次期標準報酬月額の定時決定(七月、八月又は九月の随時改定を含む。)
による標準報酬月額が適用されるまでの間は、
報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものであること。
(2) 賞与の支給回数の算定は、次により行うこと。
ア 名称は異なつても同一性質を有すると認められるもの毎に判別すること。
イ 例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて一回として算定すること。
ウ 当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しないこと。
●健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて
(昭和53年6月20日 保険発第72号、庁保険発第9号)
標記については、
昭和五十三年六月二十日保発第四七号、庁保発第二一号(以下「局、部長通知」という。)
により通知されたところであるが、
これによるほか、
次の事項に留意のうえ遺憾のないよう取り扱われたい。
1 報酬の範囲
(1) 局、部長通知1の(1)にいう「通常の報酬」には、
一か月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等が
分割して支給されることとなる場合
その他これに準 ずる場合は含まれないこと。
※(2)および(3)は、平成30年7月30日改正により追加された通知文
(2)局、部長通知にいう「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」及び「賞与」は、
名称の如何にかかわらず、二以上の異なる性質を有するものであることが
諸規定又は賃金台帳等から明らかな場合には、
同一の性質を有すると認められるもの毎に判別するものであること。
(3)局、部長通知1の(1)にいう「賞与」について、
七月二日以降新たにその支給が諸規定に定められた場合には、
年間を通じ四回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、
次期標準報酬月額の定時決定(七月、八月又は九月の随時改定を含む。)による
標準報酬月額が適用されるまでの間は、
賞与に係る報酬に該当しないものとすること。
(4) 局、部長通知1の(2)のイにいう「例外的に賞与が分割支給された場合」とは、
事業主のやむを得ない事情等のため、
諸規定又は慣例によらず賞与が分割支給されたときをいうものであること。
(5) 局、部長通知1の(2)のウにいう「当該年に限り支給されたことが明らかな賞与」とは、
過去数年にわたって支給されたことがなく、
諸規定又は慣例から判断して、当該年に限り特別に支給された賞与をいうものであること。
「通常の報酬」、「賞与」および「賞与に係る報酬」の3つを要約するなら、
下表のとおりとなります。
| 支給頻度 |
扱い |
毎月 |
「通常の報酬」として、支給月の報酬月額として扱う。
ただし、一か月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等が分割して支給される場合は、通常の報酬ではなく賞与に係る報酬として扱う。 |
年4回以上 |
「賞与に係る報酬」として1年間の支給額を12で除した額を各月に按分して報酬月額に加算する。 |
年3回以下 |
「賞与」として、標準賞与額を決定する。 |
「「通常の報酬」には、一か月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等が
分割して支給されることとなる場合その他これに準ずる場合は含まれないこと。」
とは、どのような場合を指すのでしょうか?
これは、たとえば、
既存の賞与を月額の手当に振り返えた場合は、
その月額の手当は、通常の報酬としては扱わないということを意味します。
具体例として、
下表のように年間60万円の賞与を、6月と12月の月額給与の手当として各250,000円、
それ以外の10ヶ月には、月額給与の手当として10,000円を支給する場合に、
通常の報酬として扱うと、
9月と3月に手当増額に対する標準報酬の月額変更を、
10月と4月に手当減額に対する月額変更することになります。
こうすることにより、
賞与として標準賞与額に対して社会保険料を負担するよりも、
通常の報酬として標準報酬月額に対して負担した方が、保険料負担を軽減できてしまうので、
これを防止するために平成27年10月から追加されたものです。
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
合計 |
賞与 |
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30万 |
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30万 |
60万 |
手当 |
1万 |
1万 |
1万 |
1万 |
1万 |
25万 |
1万 |
1万 |
1万 |
1万 |
1万 |
25万 |
60万 |
賞与の支給回数は、
賞与に係る報酬として標準報酬月額の算定対象とするのか、
賞与として標準賞与額の対象とするのかで、
社会保険料の負担方法が大きく異なり、実務上重要な要素となります。
まず、
賞与は、「名称は異なつても同一性質を有すると認められるもの毎に判別」し、
支給回数を算定します。
この同一性質の解釈については、
以下の通知および疑義照会回答が参考になります。
※平成30年7月30日の改正により、
「同一の性質を有すると認められるもの毎に判別する」ことが
通達文に明記されました。
平成30年7月30日改正のQ&Aは、こちら。
●健康保険法等の一部を改正する法律等の施行に係る事務取扱いについて
(昭52年12月16日保険発第113号・庁保険発第18号)
賞与等の支給回数が年間を通じ三回以下であるか否かの判別は、
賞与等の名称は異なつても同一の性質を有すると認められるもの毎に行うこと。
例えば、
寒冷地手当、石炭手当、薪炭手当などの名称で、
冬の暖房のため季節性をもつて支給されるものなどは、
賞与、期末手当などとは別に回数を数えること。
●日本年金機構の業務理マニュアル(令和6年7月3日時点)
被保険者賞与支払届 2.2照会対応 2.2.1主な照会事項と説明内容 (3)対象要件
業務内容に関連して支給されているものは、名称が異なっていても原則同一性があるものと判断する。
※令和4年7月4日時点のものにも同一の記述あり。
●賞与の支払回数の算定に係る同一性質についての考え方について
(平成23年3月9日疑義照会(回答)No.2010-1066)
@社会保険制度では、実際に受ける報酬は、
様々な形態(月給、時間給など)があり、額も個人ごとに千差万別であるばかりでなく、
毎月変動するものであることから、標準報酬制を採用していること、
A賞与については、
年度ごとの支給額に変動があることや年間の支給回数が報酬に比べ格段に少ないことから、
標準賞与額は、標準報酬月額とは異なり、
賞与が支給されるごとに決定することとされていること、
B賞与としての扱いが増えれば、
健康保険の標準賞与額の年間上限額540万円(現行573万円)の関係から、
保険料のがれにつながる場合もあることなどを踏まえると、
手当や一時金等が支給された場合は、支給形態(支給回数や継続性)で判断を行い、
本人の業務内容等に関連して支給されるものは、名称が異なっても原則同一性質として、
判断してください。
上記の通知および疑義照会を考慮すると、
行政としてはなるべく賞与ではなく、
報酬として社会保険料を算定したいと考えているようです。
したがって、
寒冷地手当等支給要因が特殊なごく一部のものを除き、
夏季賞与、冬季賞与、決算賞与、臨時手当などその名称や算定対象が異なっていても、
労務の対償として支給されるものは、
名称が異なっても原則同一性質を有するとして、
通算して支給回数を算定すべきと考えられます。
次に、
「例外的に賞与が分割支給された場合」ですが、
具体的には事業主のやむを得ない事情等のため、
諸規定又は慣例によらず賞与が分割支給されたときとされています。
この場合は分割分をまとめて一回として支給回数を算定する扱いとなります。
ただし、
賞与を過払いしたため減額精算する場合は、
以下の疑義照会のとおり、
賞与支払届の訂正で対応することになるでしょう。
●遡及給与改定に伴う賞与支払届の取扱いについて
(平成22年3月15日 疑義照会(回答)No.2010-304)
【疑義内容:給与改定が遡及して行われ、賞与の差額支給が行われた場合】
国に雇用される職員で給与は国家公務員に準じる。
昨年12月に支払済みの賞与について、
人事院勧告のマイナス分を含めない金額で支払いをしたため、結果、賞与は過払いとなり
当該差額については2月、3月分(3、4月上旬払い)の給与で調整・精算(減額)する場合。
平成19年12月11日 社会保険庁運営部医療保険課課長補佐事務連絡
「賞与が分割支給された場合における賞与支払届等の取扱いについて」
(問2)給与改定が遡及して行われ、賞与の差額支給が行われたときは、
原則、分割支給された場合と同様に、本来、支給されるべき日に支払われた賞与として
標準賞与を決定し、保険料を算定する。
ただし、
当該差額分を他の手当等の支給に合わせて計算する規程等がある場合については、
当該手当等の支給として算定されることになる。
【日本年金機構本部回答】
今回の事例は追加支給ではなく、過払い分の調整である為、
12月支給済みの賞与支払届の訂正で対応する。
訂正に時期は調整後の3月分給与の支払い後として差し支えない。
また、
以下の疑義照会回答のように支払回数、時期、金額等が未定の場合は、
分割支給されるたびに分割支払金額で賞与支払届を届け出る場合もあります。
●民事再生手続開始申立後に分割支給される賞与について
(平成22年11月8日 疑義照会(回答)No.2010-801)
民事再生手続開始申立前に支払予定であった賞与を
手続終結後に資金繰り状況を勘案のうえ、随時分割支給する場合。
なお、
一般優先債権として賞与額は決定している。
【日本年金機構本部回答】
一般債権とは決定しているものの、支払回数、時期、金額等が未定のため、
「分割して支給された賞与」と同様に扱うことは、妥当ではなく、
支払日時点で被保険者資格を有する者を対象として、
分割支給されるたびに分割支払金額で届出することが妥当である。
●健康保険法45条
被保険者が賞与を受けた月において、
その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、
その月における標準賞与額を決定する。
とされていますが、
賞与が同月内に複数回支給される場合は、
どのように扱えばよいのでしょうか?
以下の通知および疑義照会が参考になります。
●国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う実施事務の取扱いについて
(平成7年3月29日庁文発第1935号)
同一月に二回以上賞与等の支払いを行う場合にあっては、
最後の賞与の支払いを行った後五日以内に、
これらの賞与等を合算し一括して届け出ることとして差し支えない。
●賞与の支給回数の算定について
(平成22年5月7日 疑義照会(回答)No.2010-355)
●疑義照会2010-355【賞与の支給回数の算定について】の回答に係る質問等について
(平成22年10月19日 疑義照会(回答)No.2010-597)
年2回6月および12月に賞与を支給していた事業所が、
介護職員処遇改善交付金事業による手当を年2回(半年分をまとめて)6月および12月に支給する場合、
支給回数はどのように考えるのか?
【日本年金機構本部回答】
平成7年3月29日付庁文発第1935号においては、
同月内に支払われた賞与の支給金額について
合算し一括して届け出ることを認めたものである。
支払われる賞与が同一性質であり、なおかつ同月内の支払であれば、合算して差し支えない。
賞与の支給回数の算定は、
昭和53年6月20日付保発第47号・庁保発第21号1-(2)ア〜ウによることとなっている。
したがって、
同月内に支払われた賞与についてもア〜ウに基づいて判断の上、
実際に支給された回数によりカウントするものである。
※介護職員処遇改善交付金事業とは?(厚生労働省ホームページより抜粋)
○ 介護職員処遇改善交付金は、介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対して、
平成23年度末までの間、介護職員(常勤換算)1人当たり月額平均1.5万円を交付するものです。
○ 本交付金を積極的にご活用いただくとともに、
賃上げについては、あくまで事業者の皆さんのご判断となりますが、
できる限り毎月の給料に上乗せする形で支払っていただけますよう、ご検討をお願いいたします。
賞与が複数支給される場合の支給回数と標準賞与支払届をまとめると、
下表のとおりとなります。
|
支給回数 |
支払届 |
同月 |
異なる月 |
同一性質を有するものを分割支給 |
異なる月に分割支給でも、まとめて1回 |
最後の支給後に合算してもよい |
支払の都度届け出る |
同一性質を有しないものを支給 |
同月支給であっても、それぞれ別個に算定 |
別個にそれぞれ届け出る
(合算不可) |
次に、
「当該年に限り支給されたことが明らかな賞与」ですが、
具体的には、
過去数年にわたって支給されたことがなく、諸規定又は慣例から判断して、
当該年に限り特別に支給された賞与をいいます。
この場合は、支給回数に算入しないこととされています。
以下の疑義照会を参考にしてください。
●賞与の回数等、考え方について
(平成22年10月20日 疑義照会(回答)No.2010-882)
【疑義内容:賞与額変更の激変緩和措置として1回に限り支払われる手当】
就業規則により年4回の賞与を支給している事業所。
賞与の計算方法を固定型から業績連動型に変えたことにより、
年間報酬(固定的賃金(給与・賞与)のみで残業代は除く)が大きく下がった人のみ
今回に限って(就業規則には記載なし)激変緩和措置として
前年比10%を超える減額となった人を対象に差額が最大で10%となるように
補てんを行った際の手当はどのように扱うのか?
【日本年金機構本部回答】
当該手当については就業規則により定められている賞与の支給形態が変更されたことに伴い、
激変緩和措置として支払われたものであるから、
賞与と同一の性質のものと考えられ、賞与に係る報酬に含まれる。
また、
当該手当は名称は異なっても支給された賞与と同一性質を有しており、
当該年に限り支給されたことも明らかであることから、別個の賞与支給とはせず、
賞与に係る報酬として算定基礎届に反映させる。
役員の報酬は、
税法でいう「定期同額給与」および「事前確定届出給与」により
支給されているのが一般的です。
これらが報酬または賞与のどちらに該当するのかですが、
以下の疑義照会回答により、
定期同額給与は通常の報酬、
事前確定届出給与は支給回数により、賞与または賞与に係る報酬となります。
●事前確定届出給与について
(平成22年6月30日疑義照会(回答)No.2010-599)
【疑義内容】
事業所役員の役員報酬について、年間例月12回と、
例月とは異なる金額の報酬を年2回支払う予定として、事前確定届出給与を
税務署に届出している。
役員報酬のうち、
例月とは異なる金額の年2回の報酬は、賞与支払届にて届出すべきか、
年間の年俸制と判断し標準報酬月額に算入すべきか。
実例
役員報酬を平成22年2月分(3月20日支払)より30万円から40万円へ変更。
同時に事前確定届出給与として、8月5日支払20万円、12月5日支払20万円を決定し、
税務署に届け出た。
【日本年金機構本部回答】
定期に同額が支払われる報酬のほかに、事前確定届出給与の支給がある場合は、
その支払いが3月を超える期間ごとに支払われる報酬であれば、
健康保険法第3条6項および厚生年金保険法第3条4項による賞与とし、
厚生年金保険法第24条の3および健康保険法第45条により標準賞与額の決定をすることになる。
役員や上級職の社員に対して
年俸制で報酬決定し支払う場合があります。
年俸制の場合、
各月に支払われる報酬が
1月間に係る被保険者の労働の対償として支給されているものであれば、
その実際の支給額をもって報酬として扱います。
また、
1月間を超える月分の報酬を一括で支払う
といった賃金の支給形態をとっている場合は、
年間に受ける報酬を12分の1することはやむを得ない
とされています。
●年俸制の被保険者の月額変更届の取扱いについて
(平成23年6月23日 疑義照会(回答)No.2010-725)
【疑義内容】
年俸制に変更となった場合に
変更後の報酬はどのように決定するのか(随時改定)?
@ 通常の随時改定と同様に、
固定的賃金の変動があった月から3ヶ月の支給額の平均月額により改定する。
A 年俸制であることから、年間支給額の1ヶ月の平均により改定する。
【日本年金機構本部回答】
各月に支払われている役員報酬が
1月間に係る被保険者の労働の対償として支給されているものであれば、
その実際の支給額の増減をもって随時改定を行う。
ただし、
1月間を超える月分の役員報酬を一括で支払うといった
賃金の支給形態をとっている年俸制の事業所であれば、
この限りでない。
各月の支給額が
1月間に係る労働の対償として支給されていない場合については
疑義照会回答No.2010-769参照
●法人事業所代表者または、役員の報酬支払い方法が、被保険者の適用にあたるかどうかについて
(平成22年8月6日 疑義照会(回答)No.2010-769)
【疑義内容】
法人で従業委員はなく代表者のみ。
年俸制を採用しており、金額計算は会社の一年間で出た利益の◯◯%。
支払い方法は、年間の最後に事後的に一括で年俸を支払う場合
(年初には支払われるかどうか決まっていない)。
【日本年金機構本部回答】
標準報酬月額については、
年俸制を採用しているということであれば、
年間に受ける役員報酬を12分の1することはやむを得ないと考える。
また、
年間の最後に事後的に一括で年俸を支払うといことであれば、
前年度などに受けた報酬を参考に見込まざるを得ないと考える。
●役員の被保険者適用(二以上事業所勤務)及び報酬について
(平成22年12月10日 疑義照会(回答)No.2010-1088)
【疑義内容】
以下のような役員の報酬支払い方法の場合、標準報酬月額の決定はどうなるのか。
役員として、
平成22年5月支払いまでA事業所(選択事業所、健保組合加入)から毎月167,200円の報酬、
B事業所(非選択事業所)から1,014,250円の報酬を受けていた。
平成22年6月からA事業所の毎月支払いの報酬を0円にし、
6月に支払う決算賞与(役員報酬と同じ性質のものと申出あり)を報酬として支払うとのことであった。
賞与はその他に期末手当を7月と12月の年2回の支払いがある。
なお、
今回の事例の場合は、標準報酬月額が上限であるため該当しないと思われるが、
2等級以上の差が生じた場合は、給与体系の変更との解釈で
6月、7月、8月の決算賞与の12分の1の金額により、随時改定を行ってよいのか。
【日本年金機構本部回答】
標準報酬月額については、疑義照会回答2010-769 と同様に考え、
12分の1の報酬で決定することが妥当であり、
定時決定については、4月、5月の役員報酬と6月は、決算賞与を12分の1した額により行い、
その後、給与体系の変更として、随時改定を行うことが妥当と考える。
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